このページでは、組み込みの reCAPTCHA v3 プロバイダを使用して、ウェブアプリで App Check を有効にする方法について説明します。App Check を有効にすると、自分のアプリだけがプロジェクトの Firebase リソースにアクセスできるようになります。この機能の概要をご覧ください。
reCAPTCHA v3 はユーザーに表示されません。reCAPTCHA v3 プロバイダがユーザーに課題の解決を求めることはありません。詳しくは、reCAPTCHA v3 のドキュメントをご覧ください。
独自のカスタム プロバイダで App Check を使用する場合は、App Check カスタム プロバイダを実装するをご覧ください。
1. Firebase プロジェクトを設定する
Firebase を JavaScript プロジェクトに追加します(まだ行っていない場合)。
reCAPTCHA v3 にサイトを登録して、reCAPTCHA v3 のサイトキーと秘密鍵を取得します。
Firebase コンソールの App Check セクションで、reCAPTCHA プロバイダで App Check を使用するようにアプリを登録します。前の手順で取得した秘密鍵を指定する必要があります。
Firebase プロダクトで適用を有効にすると、プロダクトのバックエンド リソースにアクセスできるのは登録されているアプリのみとなるため、通常、プロジェクトのアプリすべてを登録する必要があります。
省略可: アプリの登録設定で、プロバイダが発行する App Check トークンのカスタム有効期間(TTL)を設定します。TTL は 30 分から 7 日までの任意の値に設定できます。この値を変更する場合は、次のトレードオフに注意してください。
- セキュリティ: TTL が短いほど、漏えいしたトークンや傍受されたトークンが攻撃者によって悪用される可能性が低減するため、セキュリティが向上します。
- パフォーマンス: TTL が短いほど、アプリで証明書の取得が頻繁に行われます。アプリで証明書が取得されるたびにネットワーク リクエストのレイテンシが増加するため、TTL が短いと、アプリのパフォーマンスに影響する可能性があります。
- 割り当てとコスト: TTL を短くすると、証明書の取得が頻繁に発生し、割り当てが早く消費されます。有料サービスの場合は、費用が増加する可能性があります。割り当てと上限をご覧ください。
通常は、デフォルトの TTL(1 日)で十分です。App Check ライブラリは TTL の約半分でトークンを更新することに留意してください。
詳細設定を構成する(省略可)
ユーザーがウェブアプリにアクセスすると、reCAPTCHA v3 はユーザー インタラクションがもたらすリスクレベルを評価し、0.1 刻みの 0.0~1.0 の範囲でスコアを返します。1.0 は安全なインタラクションである可能性が非常に高く、0.0 は bot の可能性が非常に高いといえます。App Check では、アプリのリスクしきい値を設定して、このリスクに対する許容度を調整できます。
ほとんどのユースケースでは、デフォルトのしきい値 0.5 をおすすめします。ユースケースで調整が必要な場合は、各ウェブアプリに対して Firebase コンソールの [App Check] セクションで構成できます。
詳細
App Check は、構成されたアプリのリスクしきい値を、ユーザー インタラクションが正当と見なされるために必要な最低限の reCAPTCHA v3 スコアとして使用します。構成されたアプリのリスクしきい値を厳密に下回る reCAPTCHA v3 スコアはすべて拒否されます。アプリのリスクしきい値を調整する際は、次の点に注意してください。
- ウェブアプリの reCAPTCHA v3 スコア分布をモニタリングするには、reCAPTCHA 管理コンソールにアクセスして、ウェブアプリに対応するサイトを選択します。
アプリのリスク許容度が低い場合は、スライダーを左に移動して、アプリのリスクしきい値を上げます。
- 値 1.0 に設定することはおすすめしません。というのは、この設定では、正規ユーザーであっても、この高い信頼性基準を満たさない場合はアクセスが拒否される可能性があるためです。
アプリのリスク許容度が高い場合は、スライダーを右に移動して、アプリのリスクしきい値を下げます。
- 値 0.0 に設定することはおすすめしません。というのは、この設定では不正行為に対する保護が無効になるためです。
詳しくは、reCAPTCHA v3 のドキュメントをご覧ください。
2. アプリに App Check ライブラリを追加します。
ウェブアプリに Firebase を追加します(まだ行っていない場合)。必ず App Check ライブラリをインポートしてください。
3. App Check を初期化する
Firebase サービスにアクセスする前に、次の初期化コードをアプリケーションに追加します。reCAPTCHA コンソールで作成した reCAPTCHA サイトキーを activate()
に渡す必要があります。
Web
import { initializeApp } from "firebase/app"; import { initializeAppCheck, ReCaptchaV3Provider } from "firebase/app-check"; const app = initializeApp({ // Your firebase configuration object }); // Pass your reCAPTCHA v3 site key (public key) to activate(). Make sure this // key is the counterpart to the secret key you set in the Firebase console. const appCheck = initializeAppCheck(app, { provider: new ReCaptchaV3Provider('abcdefghijklmnopqrstuvwxy-1234567890abcd'), // Optional argument. If true, the SDK automatically refreshes App Check // tokens as needed. isTokenAutoRefreshEnabled: true });
Web
firebase.initializeApp({ // Your firebase configuration object }); const appCheck = firebase.appCheck(); // Pass your reCAPTCHA v3 site key (public key) to activate(). Make sure this // key is the counterpart to the secret key you set in the Firebase console. appCheck.activate( 'abcdefghijklmnopqrstuvwxy-1234567890abcd', // Optional argument. If true, the SDK automatically refreshes App Check // tokens as needed. true);
次のステップ
App Check ライブラリがアプリにインストールされたら、デプロイします。
更新されたクライアント アプリは、Firebase にリクエストを送信するたびに App Check トークンを送信しますが、Firebase コンソールの App Check セクションで適用を有効にするまで、Firebase プロダクトは有効なトークンを必要としません。
指標をモニタリングして適用を有効にする
ただし、適用を有効にする前に、既存の正規ユーザーを中断しないように対策を行う必要があります。一方、アプリリソースの不審な使用に気づいた場合は、すぐに適用を有効にすることもできます。
この決定を行うことができるように、使用するサービスの App Check 指標を確認します。
- Firebase AI Logic、Data Connect、Realtime Database、Cloud Firestore、Cloud Storage、Authentication、Google Identity for iOS、Maps JavaScript API、Places API(新規)の App Check リクエスト指標をモニタリングします。
- Cloud Functions に対して App Check リクエスト指標をモニタリングします。
App Check 適用を有効にする
App Check がユーザーに与える影響を理解し、続行する準備ができたら、App Check の適用を有効にできます。
- Firebase AI Logic、Data Connect、Realtime Database、Cloud Firestore、Cloud Storage、Authentication、Google Identity for iOS、Maps JavaScript API、Places API(新規)の App Check の適用を有効にします。
- Cloud Functions に対して App Check の適用を有効にします。
デバッグ環境で App Check を使用する
アプリを App Check に登録した後に、App Check が通常は有効として分類しない環境(ローカルの開発環境や継続的インテグレーション(CI)環境など)でアプリを実行する場合は、実際の証明書プロバイダの代わりに App Check デバッグ プロバイダを使用するアプリのデバッグビルドを作成できます。
ウェブアプリのデバッグ プロバイダで App Check を使用するをご覧ください。